Japanese
English
臨床経験
外傷後近位橈尺骨癒合の1例
Post-traumatic Proximal Radioulnar Synostosis: A case report
島田 幸造
1
,
政田 和洋
1
,
川端 秀彦
1
,
小野 啓郎
1
Kohzo Shimada
1
1大阪大学医学部整形外科学教室
1Department of Orthopedic Surgery, Osaka University Medical School
キーワード:
近位橈尺関節
,
proximal radioulnar joint
,
癒合症
,
synostosis
,
外傷後
,
post-traumatic
,
シリコン膜
,
silicone sheet
,
異所性骨化
,
ectopic bone formation
Keyword:
近位橈尺関節
,
proximal radioulnar joint
,
癒合症
,
synostosis
,
外傷後
,
post-traumatic
,
シリコン膜
,
silicone sheet
,
異所性骨化
,
ectopic bone formation
pp.893-897
発行日 1987年7月25日
Published Date 1987/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907668
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抄録:橈骨頭骨折を伴う肘関節の脱臼骨折後に近位橈尺関節の癒合をきたした1例を経験した,症例は15歳の男子で12歳時に右橈骨頭骨折を伴う肘関節後方脱臼を受傷し,観血的整復固定術を受けたが,術後,異所性骨化による関節の可動域制限をきたした.2度にわたる授動術を受けたにもかかわらず可動域制限は改善せず,レ線上,近位橈尺関節部の癒合症が認められたため,受傷後1年4カ月後に右肘関節の可動域制限と尺骨神経領域のしびれ感を主訴として当科を受診した.近位橈尺関節の癒合と共に異所性骨化も認められたため異所性骨化の成熟を待った後,シリコン膜を用いた近位橈尺関節授動術を施行した.術後EHDPの投与と慎重な自動的な関節可動域訓練を行いながら経過観察中であるが,術後7カ月の現時点においては橈尺骨癒合の再発はみられない.本症例と共に骨折後の近位橈尺関節癒合の発生因子に関して文献的な考察を加えて報告する.
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