Japanese
English
特集 腰仙部根症状の発症機序—基礎と臨床—(第15回日本脊椎外科研究会より)
腰部疾患に起因する疼痛の発現機序—神経伝達物質の立場より
Endogenous Pain Control Systems in Lumbar Lesion
正木 国弘
1
,
井形 高明
1
,
加藤 真介
1
,
松村 光博
2
Kunihiro Masaki
1
1徳島大学医学部整形外科
2徳島市民病院内科
1Department of Orthopedic Surgery, School of Medicine, Tokushima University
キーワード:
β-Endorphin
,
Substance-P
,
Radioimmunoassay
,
Neurotransmitter
Keyword:
β-Endorphin
,
Substance-P
,
Radioimmunoassay
,
Neurotransmitter
pp.379-385
発行日 1987年4月25日
Published Date 1987/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907598
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:腰仙椎に起因した神経根症状を有する腰椎椎間板ヘルニア(LDH)13例および腰部脊柱管狭窄症(LSS)12例について,疼痛の発現機序と神経伝達物質との関連性を検討した.神経伝達物質測定の検体は,myelography施行時に採取した脳脊髄液であり,1mlあたりトラジロール500KIUおよびEDTA 1.2mg入れた試験管に採取した.脳脊髄液中のβ-エンドルフィン様免疫活性(β-END-LI)およびサブスタンスP様免疫活性(SP-LI)は,radioimmunoassayにより測定した.β-END-LIの平均基礎値は,LDH 17.2pg/ml,LSS 16.0pg/mlであり,健常例2.16pg/mlに比較して高値であった.一方,SP-LIの平均基礎値は,各々6.96pg/ml,6.31pg/mlと健常例2.85pg/mlに比較し,約2.5倍の増量がみられた.以上の神経伝達物質の高値は,腰部疾患(特にLDH,LSS)の疼痛発現機序に関与していることが示唆された.
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.