Japanese
English
臨床経験
髄内静脈瘤を伴った脊髄動静脈奇形の1例
Spinal Arteriovenous Malformation with Intramedullary Venous Aneurysm: A Case Report
大西 啓一
1
,
岡田 孝三
1
,
岡 史朗
1
,
林 春樹
1
,
大本 尭史
2
,
吉岡 純二
2
Keiichi Ohnishi
1
,
Takashi Ohmoto
2
1香川医科大学整形外科学教室
2香川医科大学脳神経外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, Kagawa Medical School
2Department of Neurological Surgery, Kagawa Medical School
キーワード:
脊髄動静脈奇形
,
spinal arteriovenous malformation
,
静脈瘤
,
venous aneurysm
,
血栓
,
thrombosis
,
選択的血管造影
,
selective angiography
Keyword:
脊髄動静脈奇形
,
spinal arteriovenous malformation
,
静脈瘤
,
venous aneurysm
,
血栓
,
thrombosis
,
選択的血管造影
,
selective angiography
pp.101-105
発行日 1987年1月25日
Published Date 1987/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907547
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抄録:脊髄の動静脈奇形(以下AVMと略す)に髄内静脈瘤を合併した1症例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.症例は53歳,女性.昭和58年9月,両足にしびれ感が出現,徐々に増強し軽度の歩行障害も出現した.その後突然歩行困難となり当科に入院した.入院時自力歩行は不能で,Th4以下の知覚障害を認めた.選択的血管造影にてTh3-4のAVMと診断した.またTh2レベルで脊髄の陰影がenhanced CTで増強され,髄内の血管性病変の合併を疑い手術を施行した.手術用顕微鏡下でTh3-4のAVMを摘出したところ,さらにTh2の髄内に静脈瘤を認め,注意深くこれを摘出した.現在術後1年になるが,再発なく経過良好である.Venous aneurysmを合併したAVMの報告は少なく,その成因は不明である.この症例の急激な歩行障害はVenous aneurysmが原因と考えられた.また,髄内の血管性病変の診断にenhanced CTがきわめて有用であった.
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