Japanese
English
臨床経験
骨外腫瘤を形成した肋骨好酸球性肉芽腫
Eosinophilic Granuloma of the Rib with Extra-osseous Tumor
浅野 昌育
1
,
杉浦 勲
2
Masaiku Asano
1
,
Isao Sugiura
2
1名古屋大学医学部整形外科学教室
2名古屋大学分院整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, Nagoya University School of Medicine
キーワード:
好酸球性肉芽腫
,
eosinophilic granuloma
,
histiocytosis X
,
肋骨腫瘍
,
rib tumor
Keyword:
好酸球性肉芽腫
,
eosinophilic granuloma
,
histiocytosis X
,
肋骨腫瘍
,
rib tumor
pp.843-846
発行日 1986年7月25日
Published Date 1986/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907450
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抄録:組織球の異常増殖であるとされているhistiocytosis Xのうち骨のみに病変をもつ好酸球性肉芽腫の扁平骨でのX線像は通常限局性のosteolysisを呈することが多い.筆者らは肋骨に発生した好酸球性肉芽腫で著明な腫瘤を形成した稀な症例を経験したので報告する.
症例は3歳の女児.主訴は右肩甲下部の疼痛と母指頭大の腫瘤.単純X線像では右第9肋骨の胸椎に接した部分に骨破壊像を認め,その部位に一致してほぼ円形の腫瘤像がみられた.CT scanでも同部に胸腔内に突出する球形の陰影を確認した.検査ではCRP 4.5以外異常なく原発を特定できずopen biopsyを行った.組織像はリンパ球,組織球,好酸球より構成される肉芽腫,eosinophilic granulomaの像であった.ステロイド療法を行ったが無効のため放射線照射を800rad行ったところ容易に腫瘤像は消失し右第9肋骨も再構築された.
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