Japanese
English
論述
両側変形性膝関節症における片側人工膝関節置換の非手術側膝関節に及ぼす影響について
Improvement of the Opposite Knee Osteoarthritis after the Unilateral Total Knee Replacement for the Bilateral Osteoarthritis of the Knee
黒沢 秀樹
1
,
佐々木 鉄人
1
,
八木 知徳
1
,
門司 順一
1
,
安田 和則
1
,
三浪 三千男
2
,
柘植 洋
2
,
菅野 吉一
2
Hideki Kurosawa
1
1北海道大学医学部整形外科学教室
2北海道整形外科記念病院
1Department of Orthopedic Surgery, School of Medicine, Hokkaido University
キーワード:
両側変形性膝関節症
,
bilateral osteoarthritis of the knee
,
片側人工膝関節置換術
,
unilateral total knee replacement
,
臨床症状改善
,
clinical improvement
,
レ線学的改善
,
roentogenological improvement
,
軟骨再生
,
regeneration of cartilage
Keyword:
両側変形性膝関節症
,
bilateral osteoarthritis of the knee
,
片側人工膝関節置換術
,
unilateral total knee replacement
,
臨床症状改善
,
clinical improvement
,
レ線学的改善
,
roentogenological improvement
,
軟骨再生
,
regeneration of cartilage
pp.761-768
発行日 1986年7月25日
Published Date 1986/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907441
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抄録:両側変形性膝関節症の一側に人工膝関節置換を行い6ヵ月以上経過した37例の反対側膝関節について,手術後の臨床症状の改善およびX線学的変化に関して調査し検討した.疼痛,三大学試案膝関節機能評価,および下肢機能軸の偏位で,術前にくらべ有意の改善がみられたが,膝関節可動域や大腿骨脛骨角(FTA)には有意差はなかった.X線学的病期分類では,24%が改善したが,これに関与すると思われる術後経過観察期間,肥満度,および手術側膝関節機能との有意の相関はなかった.また,X線学的変化と臨床症状との間にも有意の相関はなかった.片側人工膝関節置換後6ヵ月および8ヵ月経過して,反対側膝関節にX線学的にも臨床的にも改善のみられた2症例を提示した.この膝関節には豊富に軟骨が再生しており,組織学的に線維軟骨であった.以上のことより,片側人工膝関節置換後の反対側膝関節については,慎重に経過観察する必要があると思われる.
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