Japanese
English
臨床経験
高圧圧注損傷による後骨間神経麻痺の1例
A Case of the Posterior Interosseous Nerve Palsy due to Accidental High Pressure Injection of a Kind of Industrial Materials
鈴木 宏
1
,
名村 臣夫
1
,
西川 正治
1
,
森 良樹
1
,
小川 亮恵
1
Hiroshi Suzuki
1
1関西医科大学整形外科学教室
1Department of Orthopedic Surgery, Kansai Medical University
キーワード:
高圧圧注損傷
,
high pressure injection injury
,
後骨間神経麻痺
,
posterior interosseous nerve palsy
Keyword:
高圧圧注損傷
,
high pressure injection injury
,
後骨間神経麻痺
,
posterior interosseous nerve palsy
pp.1099-1102
発行日 1985年9月25日
Published Date 1985/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907264
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抄録:症例 45歳,男性.高圧下の合成樹脂が点検中の押出し機より誤って右前腕伸側中枢1/3に注入され,近医にて皮膚縫合を受けたが指MP関節伸展不能となり当科を受診した.X線上異物は認めなかったが,後骨間神経麻痺症状を呈していた為,異物確認と神経修復を目的に受傷後6週目に手術を施行した.回外筋浅頭を切開すると,骨間膜と回外筋深頭間との間に存在する合成樹脂を認め,これが後骨間神経を圧迫し麻痺症状を起したと考えられた.術後4カ月で筋力は正常に戻り原職に復帰しており,何等愁訴は認めていない.高圧圧注損傷による後骨間神経麻痺の報告例は文献上見られず恐らく内外初めての報告と思われるが,高圧圧注損傷症例を扱うに際し注入物質が大量である可能性と組織障害を惹起する化学物質である可能性を常に念頭に置き適切な初期治療を施すべきであることを強調した.
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