Japanese
English
臨床経験
Foramen magnum tumorの1例
Foramen Magnum Tumor; A Case Report
五十嵐 一郎
1
,
樋口 雅章
1
,
川岸 利光
1
,
中條 正博
1
Ichiro Igarashi
1
1富山県立中央病院整形外科
1Division of Orthopaedic Surgery, Toyama Prefectural Central Hospital
キーワード:
大後頭孔腫瘍
,
foramen magnum tumor
,
髄膜腫
,
meningioma
,
脊髄造影
,
myelography
Keyword:
大後頭孔腫瘍
,
foramen magnum tumor
,
髄膜腫
,
meningioma
,
脊髄造影
,
myelography
pp.999-1003
発行日 1985年8月25日
Published Date 1985/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907250
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抄録:大後頭孔近傍に発生した脊髄腫瘍は,神経学的に多彩な症状を呈し,早期に正確な診断を下すことが困難であり,発症から確定診断に到るまで長期間を要する場合が多い.今回我々は,発症より4年以上を経過したforamen magnum meningiomaの1例を経験したので報告する.症例は44歳女.大後頭神経の圧痛,頸椎運動制限,四肢の反射亢進と筋力低下,後索障害による失調性歩行と振動覚の低下,排尿障害を認め,myelogram,MCTでC1下縁レベルでの完全ブロック像を呈した.C1C2椎弓切除,後頭窩開頭により,脊髄を右後外側より強く圧迫する腫瘍をpiecemealにほぼ全摘.術後1.5カ月で一部反射異常と軽度の筋力低下は残るものの,ほぼfull recoveryとなり,Philadelphia braceからsoft collarに変えて退院となった.Foramen magnum tumorの診断には,正確な神経学的所見の把握と確実なmyelogramおよびMCTが必要であり,またその治療には易損性となっている脊髄に新たな損傷を加えないよう充分の注意が大切である.
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