Japanese
English
臨床経験
小児にみられた全指ばね指の1例
Multiple trigger digits in an adolescent: A ease report
釼持 和彦
1
,
伊藤 恵康
1
,
堀内 行雄
1
,
内西 兼一郎
1
,
小池 昭
2
Kazuhiko Kenmotsu
1
1慶應義塾大学医学部整形外科学教室
2浜松日赤整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, School of Medicine, Keio University
キーワード:
ばね指
,
trigger finger
,
多発性
,
multiple involvement
,
思春期
,
adolescent
Keyword:
ばね指
,
trigger finger
,
多発性
,
multiple involvement
,
思春期
,
adolescent
pp.993-997
発行日 1985年8月25日
Published Date 1985/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907249
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抄録:小児にみられるばね指は主として一側または両側拇指罹患例が多く,弾撥現象を呈することよりも拇指屈曲位拘縮を主訴として来院することが多い.最近我々は全指に高度な運動制限を来たして来院した13歳,女子が過去に弾撥現象を呈していたことを知り,ばね指による運動制限と診断し手術を行った.本症例は,浅,深両屈筋腱が共通の硬化した滑膜に包まれ滑動性が著しく制限され,DIP関節まで運動制限が存在しており,小児のばね指のような屈筋腱の腫大もなく,また成人のばね指のような靱帯性腱鞘の肥厚も著しくはなかった.鑑別診断としてはarthrogryposis multiplex congenita,Still's disease,rheumatic fever,camptodactyly,familial arthropathy and camptodactyly,etcが考えられる.しかし臨床症状,病理組織学所見,全身症状において明らかな関連性はなく,小児にみられた全指ばね指と診断し手術を行い良好な結果を得た.
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