Japanese
English
臨床経験
仙骨正中縦裂骨折の1例
A Case Report: Vertical Fracture of Sacrum
今村 安秀
1
,
石塚 雅美
1
,
板垣 昌樹
1
,
龍 順之助
1
,
峯島 孝雄
1
,
三井 伸夫
2
Yasuhide Imamura
1
1日本大学医学部整形外科学教室
2三井外科病院
1Department of Orthopaedic Surgery, Nihon University School of Medicine
キーワード:
縦骨折
,
vertical fracture
,
横骨折
,
transverse fracture
Keyword:
縦骨折
,
vertical fracture
,
横骨折
,
transverse fracture
pp.61-64
発行日 1985年1月25日
Published Date 1985/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907106
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抄録:最近,われわれは,骨盤環骨折の一型で,神経症状を伴わない,仙骨孔が温存された,仙骨正中部での縦骨折を経験したので報告する.症例は,18歳の男子高校生で,交通事故にて,同乗していたオートバイの後部席より落下し受傷した.初診時,殿部痛と腹痛が主症状であり,受傷直後のX線写真で,仙骨正中部での縦骨折と恥骨結合離開,左坐骨骨折を認める以外神経症状も認めず,合併損傷もなかった.治療としては,翌日よりキャンバス牽引,薬剤投与による対症療法を施行し,約7週継続した.受傷後約8週で独歩にて退院した.本症例は,骨盤骨折でも極めて稀な,仙骨孔が温存された仙骨正中部での縦骨折である.そのために神経症状を伴わず,また仙骨骨折には比較的多いとされている骨盤内臓器損傷等の合併症をも認めなかったことが大きな特徴である.
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