視座
整形外科と社会
高松 鶴吉
1
1北九州市立総合療育センター
pp.3
発行日 1984年1月25日
Published Date 1984/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906876
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私たちは一昨年,リハビリテーション交流セミナーを当地で開催した.恩師の天児先生にはその実行委員長になっていただき,その後も時々その会合でお目にかかる.先生はそこで最近の整形外科医のこの方面への関心の低さを嘆かれるのである.
昔のことになるが,昭和30年,第28回日整会総会で,東京大学の高木教授は「脳性小児麻痺の治療とその効果」と題した宿題報告をされている.この内容を読むと,先生が社会的治療すなわち障害者に対する福祉法の設定,社会に対する啓蒙活動,あるいはシステムの整備などにも言及されていることがわかる.技術学のレベルをこえ包括的な視点から治療を論じておられるのである.事実,先生の業績は,社会的治療を含む巨大なものであった.
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