Japanese
English
論述
楔状足底装具(足底板)の動的評価について(第1報)
Dynamic Evaluation of Lateral Wedged Insole. (the first report)
山崎 裕功
1
,
宮永 豊
1
,
矢野 英雄
2
,
黒沢 尚
3
,
加倉井 周一
4
,
数藤 康夫
4
Hironori YAMAZAKI
1
1中央鉄道病院リハビリテーション室
2東京大学医学部整形外科学教室
3東京都立台東病院整形外科
4東京都立補装具研究所
1Department of Rehabilitation, the Central Hospital of J.N.R.
キーワード:
楔状足底装具
,
wedged insole
,
歩行解析
,
gait analysis
,
動的評価
,
dynamic evaluation
,
変形性膝関節症
,
osteoarthritis of the knee
,
保存的治療
,
conservative treatment
Keyword:
楔状足底装具
,
wedged insole
,
歩行解析
,
gait analysis
,
動的評価
,
dynamic evaluation
,
変形性膝関節症
,
osteoarthritis of the knee
,
保存的治療
,
conservative treatment
pp.531-540
発行日 1983年5月25日
Published Date 1983/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906751
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
変形性膝関節症は日常診療で頻繁に扱う疾患であり,経過が長く治癒が期待できないために,整形外科医にとって常にやっかいな疾患の一つである.変形性膝関節症の多くは,内側関節裂隙が狭小化して内反変形を生じており,さらに軽度の屈曲拘縮と側方動揺が加わって,膝関節の痛みと腫脹が主症状となっている.この疾患に対する保存的治療法として楔状足底装具(以下「足底板」とする.)を装着する方法が1〜4),近年注目されてきている.この療法は,足底板装着により下肢アラインメントの矯正を図り,膝の痛みを軽減させることを目的としたが,その除痛効果のメカニズムについては,静力学的立易から言及したものが大部分5〜8)で,歩行時の除痛効果を解明するには自ら制約がある.内反変形を示す患者に足底板を装着させて歩行させた時,しばしば「歩き易い」,「足の運びが軽い」と訴えるが,これは下肢アライメントの矯正が立脚期全体を通じて生じているものと考えられる.このことから楔状足底板の作用機序を歩行解析装置を用いて,運動学および運動力学的に検討することとする.
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.