症例検討会 骨・軟部腫瘍11例
症例7—肋骨腫瘍
高木 正之
1
,
高桑 俊之
1
,
牛込 新一郎
1
,
田中 潔
2
,
吉山 武寿
2
,
茆原 博志
3
,
渡辺 昭彦
3
,
佐藤 豊
4
,
中田 幸之介
5
,
長田 博昭
5
1聖マリアンナ医大第2病理
2聖マリアンナ医大整形外科
3聖マリアンナ医大小児科
4聖マリアンナ医大放射線科
5聖マリアンナ医大第3外科
pp.278-280
発行日 1983年3月25日
Published Date 1983/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906704
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症例:13歳,女性
主訴:左背部痛
病歴:昭和55年6月,左背部痛が出現した.昭和56年2月,同部に腫瘤を触知したため,当院整形外科を受診した.血液生化学検査では特に異常所見はなかったが,X線像(図7-1)で左第10肋骨の骨融解性の破壊像と,第9肋骨下縁の圧迫,侵食像及び軟部腫瘤陰影がみられた.同年3月,open biopsy(図7-2)で小型円形細胞からなる腫瘤で,豊富なglycogenを有し,鍍銀像で蜂巣様構造がみられた.年齢,レ線像,組織像からEwing sarcomaと診断され,放射線療法を開始したが,6,000radにても著効を示さないため切除にふみきった.手術は左第9,10肋骨と胸椎9,10左横突起を含めた胸壁切除を施行した.手術後1年3ヵ月経過した現在,患者は再発のきざしなく健在である.
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