整形外科を育てた人達 第2回
Nicolas Andry(1658-1742)
天児 民和
1
1九州大学
pp.188-191
発行日 1983年2月25日
Published Date 1983/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906686
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Orthopediaの新しい言葉を作り,これを上下2冊の書物として発表した今日の整形外科の創始者はNicolas Andry(1658〜1742)である.1658年,Andryはリヨンの貧しい商人の子供として生まれた.そしてリヨンのDes Grassin学校に学び,その後同校の教師をしていたが,更に学問をしたいと考え32歳で医学研究に着手,1693年に35歳でReimes大学に入り,その後パリ大学に移り1697年には論文を提出して医師の資格をとり,1701年43歳で内科の助教授となった.更に1712年には54歳で内科の教授となり,Journal des scavansの編集員となっている.1724年,66歳の時,遂にパリ医科大学の学長に選ばれた.これまではAndryは比較的に順調な経過をとって来ている.彼は非常に積極的で遠慮なく自己の意見を述べるので,支持者も少なくなかったと思われる.しかし学長となると彼の性格は色々と批判を受けた.
当時Andryは内科医として研究に専念して,寄生虫の研究成果も発表しているが,小児の疾患にも関心を示し,栄養にも又小児の骨格にも研究を拡げて行った.
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