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Rinsho Seikei Geka Volume 15, Issue 3 （March 1980）

臨床整形外科 15巻3号（1980年3月発行）

Japanese English

特集脊椎腫瘍（第8回脊椎外科研究会より）

原発性脊椎腫瘍—64治療例の検討 Primary spinal bone tumors: Analysis of 64 treated cases 金田清志 ¹ , 樋口政法 ¹ , 野原裕 ¹ , 小熊忠教 ¹ , 本間信吾 ¹ , 佐藤栄修 ¹ , 松野丈夫 ¹ , 山脇慎也 ² , 藤谷正紀 ³ Kiyoshi KANEDA ¹ ¹北海道大学医学部整形外科学教室 ²国立札幌病院北海道がんセンター整形外科 ³北海道整形外科記念病院 ¹Dept. of orthop. surg., school of medicine, Hokkaido university キーワード：原発性脊椎腫瘍 , primary spinal bone tumors , 良性脊椎腫瘍 , benign spinal bone tumors , 悪性脊椎腫瘍 , malignant spinal bone tumors , 神経合併症 , neurological complications , 脊柱支持性再建 , stabilization of the spine Keyword: 原発性脊椎腫瘍 , primary spinal bone tumors , 良性脊椎腫瘍 , benign spinal bone tumors , 悪性脊椎腫瘍 , malignant spinal bone tumors , 神経合併症 , neurological complications , 脊柱支持性再建 , stabilization of the spine pp.232-241

発行日 1980年3月25日 Published Date 1980/3/25

DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906084

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緒言

　脊柱は体幹の中心支柱としての支持機構の役割と，脊柱管内で脊髄や馬尾そして根などの神経組織を保護する役割とを担っている．そのため脊椎が腫瘍でおかされると複雑な問題を提起してくる．臨床症状は変性疾患や炎症疾患と類似しており，その鑑別診断が重要である．原発性脊椎腫瘍は転移性脊椎腫瘍と比較すると頻度は少ないが重要である．原発性良性脊椎腫瘍は小児や若年者に多く，原発性悪性脊椎腫瘍は壮年層に多い．転移性脊椎腫瘍は如何なる悪性腫瘍からもおこり得るので（Francis ＆ Hutter，1963）^4），脊椎疾患診断にあたっては慎重を要する．過去20年間で当科にて治療経験した原発性脊椎腫瘍の検討をした．