視座
脊柱側彎症の早期発見
山田 憲吾
1
1徳島大学
pp.633
発行日 1979年7月25日
Published Date 1979/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905944
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脊柱側彎症は古い過去と新しい歴史を有する姿勢異常である.その原因はともかく,多くが成長期を通じ進行性増悪を特徴としている点で,早期発見は重要な課題である.ところで,戦後における本邦疾病構造の変化は誠に目覚ましく,側彎症についてもその発生頻度は,最近十数年来の千葉大始め本邦各地の学童集団検診結果に徴してもほぼ1〜3%とせられ,欧米のそれとの間に大差を見なくなつたし,多少の増加傾向すら伺われるということで社会医学上軽視し得ない問題となつてきた.
ともかく,近頃はひよろ長い姿勢の悪いもやし子が目立つてきたことは否めない.もちろん不良姿勢が直ちに側彎症に移行するとは考えないが,学校という教育現場では授業時の生徒の心構えや身構え,すなわち「姿勢」が学習指導時の一大要件とされている.殊に不良姿勢児の中に側彎症児が隠れているとすればこと重大であり,学校当局として忽せにできない問題であろう.
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