論述
脊柱側彎症と体平衡機能
山田 憲吾
1
,
山本 博司
1
Kengo YAMADA
1
1徳島大学医学部整形外科
pp.470-478
発行日 1968年6月25日
Published Date 1968/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903927
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いとぐち
起立姿勢は力学的に最も不安定な姿勢である.しかし,この不安定さは人類発生の長い歴史を通じ代償的に獲得された繊細,巧妙な能力,すなわち平衡能によつて常に動的に調整保持せられ,これがヒト特有の姿勢を構成するに至つたものと考えられている.
周知の通り,脊柱は躯幹の中軸として姿勢保持に大きな役割を担つているが,これは単なる1本の真直ぐな柱ではない.常に一定の生理的彎曲がある.
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