論述
脊柱側彎症における体平衡に関する神経学的考察
山田 憲吾
1
,
山本 博司
1
Kengo YAMADA
1
1徳島大学医学部整形外科学教室
pp.479-486
発行日 1968年6月25日
Published Date 1968/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903928
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はじめに
地球上の生物はすべて重力に対し固有の姿勢をもつている.特に人類にあつては,物理的に最も不安定な起立姿勢をその固有姿勢としており,これは高度に発達した繊細巧妙な能力,すなわち平衡能によつて動的に調整保持されているものである.そしてこの姿勢保持機構には深部受容器,視器,内耳前庭の3つが重要な役割を演じているとされている.
ところで,脊柱側彎症の発生条件として重力の影響が極めて大である.このことに関して著者ら1)2)3)の二足鼠を用いた実験的側彎症の研究も明瞭に立証している.
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