論述
骨盤輪不安定症(仮称)—その病態と保存的療法について
田中 宏和
1
Hirokazu TANAKA
1
1長崎大学医学部整形外科学教室
pp.822-831
発行日 1978年9月25日
Published Date 1978/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905766
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はじめに
腰椎椎間板症の概念が導入されて以来その浸透はめざましいが,一方腰痛をすべてこの考え方で説明しようとする傾向がないわけではない.そのために見逃がされる疾患も少なくないように思われる.
我々は女性腰痛患者の中に骨盤の不安定性が原因していると考えられる症例がかなりの頻度で存在するのに気づき,先人の文献をひもとくと共に解剖学的な病態の検討を試みた.そしてその病態像にもとづいて保存的治療,特に機能的装具を考案し現在まで比較的よい成績をおさめているのでここに報告し,諸賢の御批判を仰ぎたい.
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