カラーシリーズ 人工関節の手術・3
軸回転型人工股関節(岐阜大型)
赤星 義彦
1
,
渡辺 良
2
1岐阜大学整形外科
2岐阜市民病院整形外科
pp.206-209
発行日 1977年3月25日
Published Date 1977/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905484
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軸回転型人工股関節は骨頭と大腿骨用ステムとの間に,Trunnion-bearingと呼ばれる軸受型の関節を持っていることが共通の特徴でWeber-Huggler型,岐阜大型,前沢式,Christiansen型などが知られている.このtrunnion-bearingによって運動時の負荷が分散され,関節面の増大による単位面積当りの摩耗の減少,骨頭に働く勢刀の減少がもたらされる.岐阜大型は,骨格が小さく二次性変股症の多い日本人に適した入工股関節を目指して、東京工大笹田直助教授のご協力を得て開発され,金属との組合せで好ましい耐摩耗性を示す高分子ポリエチレン骨頭と,Co-Cr合金によるself-locking型ステムが大きな特徴である(第1図).Calcar femoraleの温存されていない骨折例,骨萎縮の強いRA症例,高齢者など,self-locking効果を期待しにくい症例に対しては,骨セメントを使用して固定するsolid typeのステムが準備されている(第2図).
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