論述
慢性関節リウマチの膝関節造影像(第一報)
富士川 恭輔
1
,
田中 義則
1
,
戸松 泰介
1
,
小池 昭
1
,
島津 孝
2
,
伊勢亀 富士朗
2
Kyosuke FUJIKAWA
1
1慶応義塾大学医学部整形外科学教室
2佐野厚生総合病院整形外科
pp.132-143
発行日 1977年2月25日
Published Date 1977/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905474
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はじめに
慢性関節リウマチ(以下RA)において,膝関節の病態は,多くの場合,臨床症状と単純X線写真所見から判定されるが,これらのみでは滑膜,関節軟骨,半月,関節のう等関節構成体の病態の十分な把握は難しい.しかるに水平X線軸膝関節二重造影法によれば,滑膜,関節軟骨,半月,関節のう等の関節構成体の変化をより直接的に知ることができ,しかも侵襲が軽微で,外来で簡単に誰にでも行うことができる.
膝関節造影法は,1900年代初期のRobinsonとWerndorffによる膝関節空気造影法をもつて嚆矢とする.その後1930年代までさしたる進歩はなかつたが,1930年代初期に陽性造影剤が導入され,さらにほぼ同時期に空気と造影剤による二重造影法も行われるようになつてから大きな進歩を遂げた.
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