臨床経験
Lumbar spinal canal stenosisと燕尾様椎弓
国分 正一
1
,
保坂 武雄
1
,
武田 久雄
1
Shoichi KOKUBUN
1
1国立療養所西多賀病院整形外科
pp.852-855
発行日 1976年9月25日
Published Date 1976/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905405
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はじめに
Verbiest(1954)の報告以来注目されているlumbar spinal canal stenosisは,その成因に関しても,定義と解釈の異なる立場から数多くの報告がなされている.それらの中で,Epsteinら(1962)は成因を椎管前後径の狭小のみに限ることなく,脊椎後方成分,ことに椎間関節周囲の形態にも求めて,developmentalな要素としてbulbous facets,shallowness of lateral recesses,vertical orientation of facetsを挙げている.Schatzkerら(1968)はそれを支持しているが,一方,若松ら(1970)は,lateral recessの短縮は椎体後縁,関節突起,椎弓などの肥厚に由来し,それらがspondylosisにおける骨変化と一致すると述べている.Vertical orientation of facetsを除くshallowness of lateral recessesやbulbous facetsをdevclopmentalな要素と断定するには問題があるようである.
最近,私達はlumber spinal canal stenosisの症例であつて,腰椎椎弓がレ線前後像で特徴的な形態を呈する2例を経験した.
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