論述
義肢装具クリニックの運営—兵庫県リハセンターの経験から
沢村 誠志
1,3
,
村田 秀雄
2
,
中島 咲哉
2
,
山下 隆昭
2
,
黒田 大治郎
3
Seishi SAWAMURA
1,3
1兵庫県リハビリテーションセンター
2兵庫県リハビリテーションセンター整形外科
3兵庫県身体障害者更生相談所
pp.313-320
発行日 1976年4月25日
Published Date 1976/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905332
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はじめに
日頃の診療において切断者に対するリハビリテーション(以下リハと省略)サービスを,切断者本位の立場にたつて行なうとすれば,医師を中心とする義肢士,PT,OT,看護婦,エンジニア,ケースワーカー等この分野で熟練した各メンバーの協力が不可欠であると痛感される.このようなチームによるアプローチの必要性は,世界的に切断者が大量にでた第二次世界大戦とサリドマイドによる先天性四肢奇形児の出生を機会に自然の要請として生まれたものである.これらのメンバーのチームアプローチの場として切断義肢クリニックあるいは,これに装具が対象として加わつたクリニックが設けられるようになつた.
これを歴史的にみると,米国では,第二次世界大戦を契機として1949年Veterans Administrationの組織のもとに30ヵ所のクリニックができ英国でも約30ヵ所にLimb fitting centerが設定された.ここでは,切断者に対する義肢の処方,適合判定および装着訓練が行なわれている.これに研究開発,教育等の機能が加わつたものがあり,Roehampton,Dundee等がその代表例といえる.
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