臨床経験
小児の一次性亜急性骨髄炎(Primary subacute pyogenic osteomyelitis)
熊谷 進
1
,
村上 宝久
1
,
加藤 哲也
1
,
松 賢次郎
1
,
海村 昌和
1
susumu KUMAGAI
1
1国立小児病院整形外科
pp.826-830
発行日 1975年9月25日
Published Date 1975/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905244
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はじめに
化学療法の発達は近年化膿性骨髄炎の臨床像を変えつつあるといわれている7).これはすでに1950年代にCapencr5),Kessel6)らが指摘しているが,われわれも最近教科書的でない非定型的な病像を示す化膿性骨髄炎に遭遇する機会が多くなつた感がきわめてつよい.すなわち発症が緩徐で,全身症状に乏しく,部位も定型的でなく,単に局所の圧痛や軽度の腫脹を認めるのみで,レ線所見もとぎに骨腫瘍と紛らわしい像を示すもので,Harris2)らのいうprimary subacute pyogenic osteomyelitisの範疇に属するものである.われわれが最近経験した8例を中心に,いささかの考察を加えるとともに,大方の注意を換起したい.
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