論述
骨・軟部腫瘍に対するCryosurgeryの応用—特に病理組織学的検討と適応について
保高 英二
1
,
高田 典彦
,
曽原 道和
,
館崎 慎一郎
Eiji HODAKA
1
1千葉県がんセンター整形外科
pp.34-43
発行日 1975年1月25日
Published Date 1975/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905126
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はじめに
組織に超低温を作用させて壊死に陥らせる原理(cryonccrosis)を外科的治療手段として応用したものを一般にcryosurgeryと呼んでいるが,1961年Cooper1)が液体窒素を用いる組織の凍結破壊法を発表して以来,cryosurgeryは世の脚光をあびるようになり,各科領域で著しい発展をみている.しかしながら最近広く行われてきているcryosurgeryは,その特徴として,外科,婦人科,泌尿器科,皮膚科のごとく解剖学的出口,すなわち自然のdrainageを有する各科領域で応用されることが多いが,整形外科領域における疾患の場である骨軟部は,元来閉鎖的な部位であり,その点において特殊性を有している.
我々は,それらの点を考慮しながら,cryosurgeryが整形外科領域に応用できないものかと考え,1972年以後,基礎的,臨床的に検討を加えてきた.なお,経過期間が短いのであるが,病理組織学的検討およびその手技,適応などを中心にcryosurgeryの現況につき概説を行うものである.
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