臨床経験
皮下型サルコイドージスの1症例
高田 宗世
1
,
荒川 弥二郎
1
,
志羽 孝
1
,
堂下 幸雄
1
,
池田 真康
2
Muneyo TAKATA
1
1福井県立病院整形外科
2福井県立病院皮膚科
pp.186-189
発行日 1974年2月25日
Published Date 1974/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904960
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Sarcoidosisは,1869年Hutchinsonによる皮膚変化の観察が最初であり,その後1899年Boeckが臨床的,組織学的に詳細に本症の,皮膚病変を研究し,これをSarcoidと名付け,1934年Schaumann11)が皮膚病変のみならず他の臓器にも同じような病理組織変化を示すもののある事を認め,これをbenigne lymphogranulomaの概念ないし範疇に含まれるべきものと発表し,現在では,肺,リンパ節,眼,皮膚,その他の諸臓器に非結核性の類上皮細胞肉芽腫を生ずる系統的な全身疾患として注目を浴び,各科領域において,その病像と成因に関して多くの発表がみられている.
皮下型Sarcoidosisの最初の報告は,1904年Darier & Roussy3)が皮下結節を主訴とする患者を組織学的に検索し,BoeckのSarcoidと全く同じ所見を得,これをSarcoides sous-cutaneesとして発表した.本邦では1936年谷村13)らの症例が最初であり,園田12)によるとDarier-Roussy皮下類肉腫またはSarcoidosisで皮下病変を伴なつた報告例は26例を数える事ができたと述べている.
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