境界領域
骨病変のモデルとしてのosteolathyrismにおける骨コラーゲンの変化
林 泰史
1
,
五十嵐 三都男
1
,
松浦 美喜雄
2
,
吉野 槇一
3
Yasufumi HAYASHI
1
1東京都養育院付属病院整形外科
2東京都老人総合研究所臨床生化学
3都立大塚病院リウマチ科
pp.55-63
発行日 1974年1月25日
Published Date 1974/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904939
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I.Lathyrismの概略
Lathyrismは体重減少,骨格異常,血管異常を伴う疾患で,病因はコラーゲン,エラスチンの脆弱性の増加,抽出性の増大に起因している.本症は19世紀の科学者Cantaniがスイートピーの一種,lathyrus odoratusの種を摂取することにより発病することを発見して以来,lathyrismと名づけられた1)).ヒトにおいては本症はインド,アルジェリアで往々みられ,罹患率は人口の7%に達することがある1).実験的lathyrismは幼若ラットにlathyrus odoratusの種の挽いたものを50〜70%の割合でえさの中に入れ,飼育することにより,コラーゲン含有量の多い組織,すなわち骨,腱,皮膚等に異常をきたすことをGeiger(1933)等が観察したのが最初である2).
Lathyrism発症に有効な成分をβ-aminopropionitrile(以後βAPNと略す,NH2・CH2・CH2・CN)であることを確認したのはSchilling(1954)等である3).
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