検査法
肩関節機能評価法
井上 義夫
1
,
中根 邦雄
1
,
加藤 泰弘
1
,
鈴木 信治
2
,
山路 兼生
3
Yoshio INOUE
1
1大同病院整形外科
2名古屋市立大学医学部整形外科学教室
3山路整形外科
pp.908-916
発行日 1973年11月25日
Published Date 1973/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904906
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
肩関節の機能障害を来たす疾患は非常に多い.いわゆる五十肩を筆頭に,腱板,末梢神経損傷および骨折などの外傷性のもの,あるいは神経,筋肉疾患などがある.いずれの疾患にせよ,機能障害は社会生活ならびに日常生活において重要な意味を有し,その中でもつとも問題になることは疼痛と可動制限であろう.したがつて疼痛の程度ならびにR. O. M.に特別な考慮が払われなければならないが,しばしば部分的な診断をするための手段に終りやすく,また統一性を欠いており,正確さ,客観性が不足しがちである.いかなる治療が行なわれたとしても,治療効果の判定はもちろん,治療プログラムの作製に対しても,合理的で正確な機能評価を行なうことは不可欠である.われわれは,主にいわゆる五十肩を対象に,数量的に表わせる機能評価表を作製したので,現在迄に報告されている肩関節機能評価法と比較検討すると同時に,いわゆる五十肩の代表的な症例について機能評価を行ない,種々なる問題点について論じてみたい.
Copyright © 1973, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.