シンポジウム 膝の人工関節
骨腫瘍に対する人工膝関節の経験と無菌手術室について
長井 淳
1
,
山室 隆夫
1
,
伊藤 鉄夫
1
Jun NAGAI
1
1京都大学医学部整形外科学教室
pp.808-816
発行日 1972年10月25日
Published Date 1972/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904749
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
人工股関節手術が広く行われ,その勝れた結果が認められるようになるとともに,同じく体重負荷関節である膝についても,人工関節置換の試みがなされるようになつた.
しかし,膝は機能面から見た構造の分析がまだ十分でなく,最大屈曲位より伸展していく時のGliding,Rocking,Rotationについての生理学的意義も十分理解されたとは言えない.また,回転の中心が移動する事に意義を見出してpolycentricな人工関節を設計する人や,これを単純化して蝶番型関節にする人などがあり,多くの人工膝関節が併用して用いられている状態である.更に関節自身が筋肉におおわれていないため,皮膚の縫合不全がおこると容易に人工関節に感染が波及する.一旦感染がおこると,その処置が非常に困難であること等が人工膝関節を一層困難なものにしている.
Copyright © 1972, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.