論述
骨折の治療—特に下肢の関節周辺骨折について
星子 亘
1
,
高木 克公
1
,
大平 修
1
,
岡 隆
1
,
本田 五男
Wataru HOSHIKO
1
1熊本大学医学部整形外科学教室
pp.184-193
発行日 1972年3月25日
Published Date 1972/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904659
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はじめに
最近の骨折治療の進歩は目覚ましいものがあり,とくに骨幹部骨折について髄内釘法,圧迫接合法などにその感を深くする.一方骨幹端部の骨折治療についても特殊の内固定材料が開発され,使用されて治療成績は向上しつつある.
骨折の治療を行なうに当つて,安静固定の期間と関節拘縮の度合にわれわれは常に悩まされているが,関節周辺骨折の場合はこのことは一層重大となる.骨癒合と関節運動とを考えた場合,第一義的には前者が優先することは確かであるが関節拘縮の障害も最小限に留めたいものである.このように考えると強力な髄内固定法や圧迫内副子法は,骨折部を不動に保つて骨癒合前から関節運動を許す企図もあるようである.
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