論述
膝関節半月損傷の診断法の吟味
今井 望
1,2,3
Nozomu IMAI
1,2,3
1慶応義塾大学医学部整形外科
2足利赤十字病院整形外科
3国立栃木病院整形外科
pp.757-770
発行日 1971年9月25日
Published Date 1971/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904592
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はじめに
膝痛を訴えて整形外科を訪れて来る患者は多く,この中には半月損傷が疑われる場合が少なくない.この中から見落すことなく,誤まることなく半月損傷を確実に発見することは必ずしも容易なことではない.
私はかつて半月全摘出術後の半月再生の状態を関節鏡視により追究し,再生半月の機能的意義を否定した.その根拠については日整会誌44巻5号に詳述したのでこれを参照されたい.ただ私はこれをもつて半月切除術そのものの意義を否定するのでは決してない.半月切除術は半月損傷にともなう障害を除きうる唯一の手段ともいうべきものである.ただ,かりそめにも誤診の下に正常な半月を摘出する軽卒さは許されるべきでなく,また可能ならば極力切除範囲を部分的に止めるなどの繊細な配慮が払われて欲しい.そのためにはいつそう厳密な診断法が要求される.
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