論述
膝関節重度靱帯損傷の治療成績の検討
今井 望
1
,
赤坂 勁二郎
1
,
宮原 康員
1
,
富士川 恭輔
1
,
関 恒夫
1
,
末安 誠
2
Nozomu IMAI
1
1足利赤十字病院整形外科
2伊勢崎市民病院整形外科
pp.845-854
発行日 1971年10月25日
Published Date 1971/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904603
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はじめに
骨の形態のみからいえばきわめて不安定な膝関節は,ほかの関節にみられない発達した軟部支持機構によって大きな負荷,衝撃に耐えうる安定性を保つている.しかし,一方この関節は長管状骨同士を連結する関節であるため下肢に加つた異常な外力はここに収斂されやすく,直達的,介達的に損傷をうける機会は少なくない.しかも,その構造の複雑さから関節に加わる外力の方向と量にしたがつて多彩な損傷像を呈する.ここに損傷像を正確に把握する診断法と,これを適確に治療する手技が必要となる.
著者らのうち今井はかつて内側側副靱帯損傷について日整会誌37巻12号に,また十字靱帯損傷につき日整会誌42巻10号に記載してきたが,今回は膝関節軟部支持機構の損傷の中でも特にその障害の著しい靱帯複合損傷例について治療成績の検討を行なつた.
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