論述
脊椎分離・辷り症における前方固定手術の検討
井上 駿一
1
,
尾崎 賢太郎
1
Shun-ichi INOUE
1
,
Kentaro OZAKI
1
1千葉大学医学部整形外科学教室
pp.371-400
発行日 1971年5月25日
Published Date 1971/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904543
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脊椎分離・辷り症に対する前方法術式は古くBurns2)(1933),Jenkins7)(1936),Mercer3)(1936)らによつて創められ,本邦でも岩原名誉教授(1942),島教授(1938),近藤名誉教授(1942)らによる濫鵤の時代がある.とくに辷り症に対して前方法術式のもつ合理性については古くから諸家の多くが認めるところであり,ただ手術侵襲の大きさ,予期された骨癒合の得られぬ事実,あるいは適応の問題に関しくりかえされる論議があり,ために現在まで前方術式はもつぱら理論上の優秀性のみが強調されている感が深い。
筆者の教室では本症に対し恩師故鈴木次郎教授により創始せられた経腹膜的腰椎前方固定術を1956年以来発展させてきたのであるが,分離・辷り症に対する約15年間の成績の検討を行ない本法のもつ意義に関し検討を行なうことは,この分野での私どもに課せられた大きな使命と考えている.
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