論述
脊索腫(Chordoma)5例—とくに電子顕微鏡による微細構造について
竹嶋 康弘
1
,
福間 久俊
1
,
緒方 孝俊
1
,
後藤 将
2
,
中野 政雄
3
Yasuhiro TAKESHIMA
1
1国立がんセンター病院
2佐世保共済病院整形外科
3千葉大学医学部放射線科
pp.279-295
発行日 1971年4月25日
Published Date 1971/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904532
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はじめに
脊索腫は胎生期脊索(chorda dorsalis)の遺残組織から発生する腫瘍で,頭蓋底部と仙尾骨がその好発部位である.本邦では,1923年,太田(東大)36)が脊椎のホルマリン貯蔵標本から発見した第2頸椎脊索腫の報告が最初であり,この後,著者らの渉猟したかぎりでは,耳鼻科,眼科,外科および整形外科領域で1970年までに80余例の報告がみられるが,著者らもここ数年間に,仙尾骨発症4例,頸椎発症1例の脊索腫を経験し,治療する機会を得た.うち3例の手術症例には,術中,電子顕微鏡観察用の生検材料を得ることができ,腫瘍組織の微細形態学的観察を行なつたので,本症例の臨床経過に併せて,その特徴を記述してみたい.
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