臨床経験
重度四肢機能障害者(身障福祉法により第一級と認定された者)のリハビリテーションの経験
松元 司
1
Tsukasa MATSUMOTO
1
1東京労災病院整形外科
pp.252-256
発行日 1971年3月25日
Published Date 1971/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904527
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緒論
現在の国立伊東重度障害センターは,昭和27年4月に,国立伊東保養所の名のもとに,東日本で唯一の,身体障害者の傷痍軍人,軍属を対象とする国立援護施設として発足した.ついで,昭和29年8月に,身体障害者福祉法の改正により,対象を拡大して,障害程度一級に該当する者の厚生援護施設に変更された.さらに昭和37年に現在名に改称され,名実共に重度障害者のrehabilitationの施設として一貫した仕事をするようになつた.当センターで行なつているrehabilitationの内容に関しては,前医務課長金子1)が詳述してあるところである.その後,さらに改良し,その実施内容の充実をはかつている.
本論文は,著者らが重度障害者のrehabilitationを実際に行なうにあたつて,われわれの経験した後述のごとき諸問題について調査を行ない,検討を加えたものである.すなわちわれわれは昭和39年9月に,従来行なつてきた障害者判定評価法,訓練内容,訓練方法等,rehabilitation指導要領を変更し質量共に,いつそう充実を計つた.その内容は,たとえば,入所者を能力に応じてクラス別に訓練グループを作つた.物理療法は,自動的なExerciseを中心とし,スポーツ訓練を取り入れた事,訓練時間を増加した等のことである。
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