臨床経験
肩鎖関節造影法について
岩田 清二
1
,
桜田 允也
1
Seiji IWATA
1
1済生会神奈川県病院整形外科
pp.77-81
発行日 1971年1月25日
Published Date 1971/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904503
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解剖学的に鎖骨外側端関節は外下方に向き,それに対向する肩峰の関節面に騎乗するような構造になつており,肩鎖関節が外方あるいは上方からの外力によつて脱臼しやすくなつている.したがつて整復もやさしいが,整復位の保持は非常に難しくなつてくる.ゆえに今日までに多くの非観血的あるいは観血的治療法が考えられ,行なわれてきているが,その選択にとまどうことがしばしばである,これは関節周囲組織の損傷状態が十分把握できないために起こるものと思われる.また,実地診療に際して臨床所見とレ線所見が一致せず,肩鎖関節脱臼の有無の診断に迷うことが少なくない.この点を解決する一助として,われわれは肩鎖関節造影法を行なつており,いささかの知見を得たので,そのあらましを述べる.
検査対象としては肩鎖関節脱臼,鎖骨外側端骨折と診断された,あるいはそれらが疑われた患者に対し関節造影を行なつている.
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