臨床経験
広範なる骨硬化像を示した前立腺癌の剖検例
福岡 良樹
1
,
大谷 宏明
Yoshiki FUKUOKA
1
,
Hiroaki OTANI
1東邦大学医学部整形外科学教室
pp.981-988
発行日 1970年12月25日
Published Date 1970/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904491
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転移骨癌の病像は原発臓器の種類により異なり,一般に骨破壊性転移像を示すが,前立腺癌の骨転移は好んで骨形成性転移像を示すものが多く,広範で著明な骨硬化像を示すものでは,しばしば大理石病,Paget病などと誤認されやすい.このように広範に骨硬化を作つた症例は,本邦では,浦山1),菊屋2),本倉3),小宮山4)らの報告例のみである.
われわれは,ほぼ全身骨に骨硬化像を呈した前立腺癌の症例を経験し,剖検により二,三の興味ある知見を得たので,文献的考察を加えて報告する.
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