臨床経験
足関節に発生したいわゆる色素性絨毛結節性滑膜炎の1例
松山 直矢
1
,
津山 義朗
1
,
芦野 英朗
2
Naoya MATSUYAMA
1
1国立久留米病院整形外科
2久留米大学医学部整形外科
pp.409-412
発行日 1970年5月25日
Published Date 1970/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904405
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いわゆるPigmented Villonodular Synovitis(Jaffe-Lichtenstein)は比較的稀な疾患とされているが1865年Simon21)が滑膜の黄色腫として報告したのが最初であり,その組織学的所見が多彩なことから20数種にもおよぶ種々な名称で報告されている。1941年Jaffe12)らは本疾患の多数の例を組織学的に検討して本症が炎症性起源を持つものであるとしてPigmented Villonodular Synovitisと命名してからはいわゆる色素性絨毛結節性滑膜炎の名称で報告されているようである.
その本態,原因についてもまだ不明のもので,臨床的には特に膝関節に好発し,腫張,疼痛を認め,滑膜に特有な絨毛の密生と増殖をきたすものが多く,本症が足関節に発生した例はわが国でも稀で,最近山口(1966)24),吉良(1968)15)によつて報告された2例にすぎない.
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