シンポジウム 先天性筋性斜頸 私の治療法
私の治療法
渡辺 正毅
1
1東京逓信病院整形外科
pp.159-164
発行日 1967年2月25日
Published Date 1967/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904192
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まえおき
先天性筋性斜頸は整形外科における古典的な疾患の一つである.筋性斜頸を除外して整形外科の歴史を論ずることはできない.このような疾患であるから,その治療法も論議し尽され,結論が得られていて然るべきと考えられるが,実際にはまだまだ意見の対立もあるようである.それは,主として乳児期の初期の保存的治療のやり方と手術適応の定め方に関するもので,初期から患児の頭をもつて宙にもちあげて振りまわすような矯正を良しとするものもあれば,初期には躯幹から頭部までを安静保持するセルロイドシャーレを用いる方法もあり,また早期手術をかなり多用する人もあれば,保存的治療でねばる人もある.また細部については多数のやり方があり,10人10色ともいうべきである.
私の治療法と題しても,私が創案した方法は何もなく,いろいろの方法の中で私が一番妥当であると考えて採用し,実施している方法について述べるのみである.したがつて,あまり参考となる事柄はないかもしれないが,新しい独特の方法による成績に対する対照として,あたりまえの治療法でどの程度の効果が得られるかを知る上に幾分なりとも参考となれば幸せである.
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