臨床経験
Planta pedis symptomについて
中川 俊
1
,
市堰 英之
1
,
福原 達夫
1
,
西村 貞男
1
,
荻野 邦夫
1
,
轟 哲
1
,
比企 健男
1
,
内川 勝義
1
Takashi NAKAGAWA
1
1日本医科大学整形外科学教室
pp.723-729
発行日 1969年9月25日
Published Date 1969/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904127
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はじめに
腰痛ならびに坐骨神経痛を主訴として来院する患者は非常に多く,当教室においても諸家の報告と同様に全外来患者数の22%を占めている.またその患者の訴える愁訴もその種類および部位において非常にまちまちである(第1表).更に患者に愁訴の部位について詳しく問診を試みるに,足部ことに足底部にも痛み,その他なんらかの訴えを有しているものが見られ,腰痛,坐骨神経痛の病態の複雑さを物語つているものと考える.Heikel1)(1965)は自己の経験より椎間板ヘルニアの新しい一所見としてPlanta peclis symptomの症例について報告しているが,われわれも腰痛研究の一端として各種腰痛疾患の愁訴の様相について詳細に検討したところ,Heikel1)の述べる本症候を有する腰痛疾患の存在することを経験した.
椎間板ヘルニアは勿論,各種腰椎疾患において観血的治療は言うにはおよばす,保存的治療に際して病態の原因となつている高位を決定することは極めて重要であることは論をまたないところである.したがつて反射,知覚,筋などの異常を注意深く検索することが必要となるわけである.なお,これら知見に不安の残る症例に対しては,レントゲン撮影は勿論,各種のレントゲン機能撮影,E. M. G.および観血的治療を前提としてMyelographyが,その副作用および欠点が諸家により種々論議されながらも,惰性的,習慣的に行なわれているのが現状である.
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