論述
整形外科における先天性筋無緊張症候群(amyotonia congenita syndrome)について
小林 晶
1
,
徳永 純一
1
,
星子 正義
1
,
長倉 孝行
1
,
岩本 皓
1
Akira KOBAYASHI
1
1九州大学医学部整形外科
pp.96-105
発行日 1968年2月25日
Published Date 1968/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903871
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いとぐち
生下時より筋のhypotoniaをもつ患児(hypotonic infant)は別にfloppy infantともいわれ,しまりのない子供という意味で小児科領域ではしばしば用いられる言葉である.この中には病因により筋原性のもの,神経原性あるいは神経・筋接合部のものなどに分類される.整形外科が運動器を対象とする医学である以上,その領域も近年増大しつつある.われわれの対象とする小児疾患の中にも,詳細に観察すればこれらの疾患はかなりの頻度で含まれると思われる.われわれはmyopathyの研究を数年来すすめてきたが,単なる先天股脱のようなものも,よく観察すればこれらのmyopathyを含むものもかなりあることに気付いた.今回は兄弟にみられたmuscular hypotoniaを伴う先天股脱と側彎症の症例を提示し,われわれの考え方の一端をのべ,諸賢のご批判を仰ぐものである.
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