手術手技
椎体前方侵襲法—1.頚椎に対して
池田 亀夫
1
1慶応義塾大学医学部整形外科学教室
pp.65-70
発行日 1966年4月25日
Published Date 1966/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903722
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いとぐち
前方から椎体へ直達し,病巣剔出あるいは脊椎固定すべき疾患は結核,化膿性疾患のみならず,外傷,腫瘍,椎間板ヘルニア,変形性脊椎症,脊椎分離および辷り症等かなり多い.しかし,脊椎前方侵襲法は、主に解剖学的理由により未だ広く一般化するに至つていない.昭和19年岩原教授は脊椎辷り症に対して"椎体侵襲による脊椎固定術の一新法(副直腹筋切開腹膜外経路法)"と題し,自家経験を発表した(外科8巻).それ以来,われわれの教室では本疾患のみならず他疾患に対しても適応の存する場合は躊躇することなく,椎体直達法を実施し,今日に及んでいる.この間,術式に幾多の改良,工夫が重ねられてきたことは論をまたない.
以下,自家経験を基に椎体前方直達法を各部位毎に順次述べ,症例を供覧してみたい.
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