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シンポジウム 橈骨遠位端骨折の保存的治療のこつと限界
橈骨遠位端骨折の保存的治療法とその限界―特に不安定型骨折に対する保存的治療の限界症例について
Conservative Treatment for Distal End Fractures of the Radius : Limitation of the Application of Conservative Treatment for Unstable Type Fractures
佐々木 孝
1
Takashi Sasaki
1
1済生会神奈川県病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Saiseikai Kanagawaken Hospital
キーワード:
radius end fracture
,
橈骨遠位端骨折
,
conservative treatment
,
保存療法
,
unstable type
,
不安定型
Keyword:
radius end fracture
,
橈骨遠位端骨折
,
conservative treatment
,
保存療法
,
unstable type
,
不安定型
pp.1029-1039
発行日 2002年9月25日
Published Date 2002/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903628
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要旨:橈骨遠位端骨折は,かつては変形治癒でも比較的予後のよい骨折と考えられており,特に高齢者においては変形治癒を許容する考えが主流であった.しかしながら,治癒後の形態と予後の間には密接な関係があることが知られるようになってきた.解剖学的形態に近い癒合を得るためには,骨折を安定型と不安定型に分類し,それぞれに適した治療法を用いることが肝要であり,安定型には外固定を行い,不安定型には外固定以外に固定法が必要であるという考え方が一般的なものとなってきている.しかしながら,患者側の諸条件(特に超高齢,痴呆)から治療に対する理解力がないなどの理由で,保存療法の限界に挑戦しなければならないような症例にも遭遇する.本稿では著者が行っている保存療法について記すとともに,本来保存療法の適応外であった症例に行われた保存療法の結果を示し,読者が今後の治療について考え行く上での一助としたい.
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