Japanese
English
シンポジウム 足関節捻挫後遺障害の病態と治療
足関節機能的不安定性の病態
Mechanism of Functional Instability of the Ankle Joint
石井 朝夫
1
,
Khin-Myo-Hla
2
,
坂根 正孝
3
,
佐藤 彩乃
4
,
落合 直之
1
Tomoo Ishii
1
1筑波大学臨床医学系整形外科
2Department of Physiotherapy, Institute of Paramedical Science, Yangon University
3茨城県立医療大学整形外科
4筑波大学医学研究科
1Department of Orthopaedic Surgery, Institute of Clinical Medicine, University of Tsukuba
キーワード:
functional instability
,
機能的不安定性
,
ankle sprain
,
足関節捻挫
,
peroneal reaction time
,
腓骨筋反応時間
Keyword:
functional instability
,
機能的不安定性
,
ankle sprain
,
足関節捻挫
,
peroneal reaction time
,
腓骨筋反応時間
pp.35-40
発行日 2002年1月25日
Published Date 2002/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903453
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
要旨:足関節機能的不安定性は足関節捻挫後に生じる最も一般的な後遺障害である.症状は足関節の不安定感であり,頻回の捻挫を繰り返す.機能的不安定性と靱帯不安定性や臨床所見との関連性をχ2乗検定により検討すると,機能的不安定性と最も強い関係にあったのは足根洞の圧痛であり,機能的不安定性群は多くの例で外傷後足根洞症候群を発症していると考えられた.腓骨筋の伸張反射である腓骨筋反応時間は,機能的不安定性群で健常群に比し有意に遅延していたが,足根洞の局注により正常化しそれに伴い不安定感も消失した.足根洞の炎症による侵害受容体などの興奮が,γ運動ニューロンを介して腓骨筋トーヌスを低下させる病態を想定すると,この結果を合理的に説明できる.機能的不安定性は,腓骨筋トーヌスの低下により不安定感を自覚し,足部協調運動が障害され,頻回の捻挫を繰り返す病態であると考えた.
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.