Japanese
English
症例報告
立位時骨盤後傾を伴う人工股関節複数回脱臼例の検討
A Case of Recurrent Dislocations of the Hip Joint after Total Hip Arthroplasty with Posterior Tilt of Pelvis at Stand Position
加藤 充孝
1,2
,
濱上 洋
1
,
高橋 健志郎
1
,
永原 亮一
1
,
岩瀬 丈明
1
Michitaka Kato
1,2
1長浜赤十字病院整形外科
2現:岐阜市民病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Nagahama Red Cross Hospital
キーワード:
hip arthroplasty/total
,
人工股関節置換術
,
dislocation
,
脱臼
,
postoperative complications
,
術後合併症
Keyword:
hip arthroplasty/total
,
人工股関節置換術
,
dislocation
,
脱臼
,
postoperative complications
,
術後合併症
pp.1451-1454
発行日 2001年12月25日
Published Date 2001/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903444
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抄録:円背に伴う骨盤後傾が関与した人工股関節の複数回脱臼例につき検討したので報告する.症例は68歳女性.左変形性股関節症に対し人工股関節置換術を施行したが,以後約3年間で歩行時や段差を降りる際などの軽微な誘因で人工関節の脱臼を6回生じた.術後股関節X線像上ソケット傾斜角は42°,前方開角0゜であった.脱臼の整復にあたり筋緊張は良好であった.著しい円背を認め立位姿勢に違和感を認めたため,立位股関節X線像を撮影したところソケット傾斜角55°,前方開角約26°と著しい増大を認めた.側面仙骨軸で骨盤の傾きを評価すると臥位に比べ立位では32°後傾していた.すなわち立位時既に股関節は30°程過伸展している状態であり,段差を降りる際や,歩行時患肢離踵時にはさらに過伸展することになり脱臼を誘発すると思われた.脊椎後弯変形を認める際はソケット設置位置の術前計画,術後の評価は立位股関節像で行う必要があると思われた.
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