Japanese
English
臨床経験
変形性距舟関節症の1例
Talonavicular Arthrosis : A Case Report
樋口 哲生
1
,
野口 昌彦
1
,
大槻 康雄
1
,
木戸 健介
1
,
平澤 泰介
1
Tetsuo Higuchi
1
1京都府立医科大学整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, Kyoto Prefectural University of Medcine
キーワード:
talonavicular arthrosis
,
距舟関節症
,
talus
,
距骨
,
aseptic necrosis
,
無腐性壊死
Keyword:
talonavicular arthrosis
,
距舟関節症
,
talus
,
距骨
,
aseptic necrosis
,
無腐性壊死
pp.1421-1425
発行日 2000年11月25日
Published Date 2000/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903148
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抄録:稀な変形性距舟関節症の1例を経験したので報告する.症例は53歳女性で,誘因なく右足部痛が出現し徐々に歩行困難となった.初診時,外観上,扁平足を認め,右中足部背側に骨性の腫瘤を触知した.単純X線像では右足舟状骨外側1/2が著しく変形し,距骨頭部から頚部の骨硬化,距舟関節裂隙の狭小化,距骨と舟状骨の背側に隆起する骨陰影を認めた.断層撮影でも同様の所見と距骨,舟状骨,踵骨に骨嚢腫を認めた.骨シンチグラムでは病巣に一致した異常集積像を,MRI T1強調では距骨頭部から頚部に低信号領域を認めた.以上から変形性距舟関節症と診断し,腸骨からの骨移植による距骨楔状骨間固定術を行い良好な結果を得た.切除した距骨および楔状骨を病理組織学的に検索した結果,距骨頭部に骨壊死像を認めた.変形性距舟関節症およびその原因に関する報告は少ないが,われわれは本例に関しては病理組織的所見から距骨頭部壊死が原因と推察した.
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