Japanese
English
論述
脊椎変性疾患における重複病変について
Degenerative Multiple Lesion with Spondylotic Spine
笠原 孝一
1
,
井口 哲弘
1
,
栗原 章
1
,
山﨑 京子
1
,
佐藤 啓三
1
Koichi Kasahara
1
1神戸労災病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Kobe Rosai Hospital
キーワード:
spondylosis
,
脊椎症
,
multiple lesion
,
重複病変
,
cervical spine
,
頚椎
,
lumbar spine
,
腰椎
Keyword:
spondylosis
,
脊椎症
,
multiple lesion
,
重複病変
,
cervical spine
,
頚椎
,
lumbar spine
,
腰椎
pp.1323-1329
発行日 2000年11月25日
Published Date 2000/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903126
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抄録:椎間板変性に由来する脊椎変性疾患で頚椎の手術的加療を行った83例について,頚椎病変のみの群,腰椎にも変性疾患を合併するが腰椎手術を施行しなかった群、および腰椎に変性疾患があり腰椎手術も施行した群に分けて,画像および臨床的特徴について比較検討した.この際,病態の異なる靱帯骨化症や石灰化症は除外した.重複病変群は頚椎のみならず,腰椎にも多椎間の変性変化を認めた.頚椎または腰椎のどちらかに3椎間以上の椎間変性がある場合,他の部位にも病変を有している可能性が高かった.腰椎病変を合併した頚椎症性脊髄症は,合併のない群と比べて,術後JOA点数が低く,臨床症状の回復が悪かった.また,腰椎病変合併群では,術前下肢に髄節性の神経症状を呈する症例が多く,診断に有用である.治療方針としては,頚部脊髄症状に加え,下肢髄節性の神経症状が明らかな例では頚,腰椎同時手術も考慮される.
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