Japanese
English
臨床経験
前腕骨骨幹部骨折後,環指浅指屈筋腱の癒着を生じた1例
Adhesion of the Flexor Digitorum Superficialis of the Ring Finger at the Site of the Forearm Fracture : A Case Report
玉置 康之
1
,
百名 克文
1
,
麻田 義之
1
,
坂本 武志
1
,
林 良一
1
,
栗山 新一
1
,
渡辺 慶
1
Yasuyuki Tamaki
1
1日本赤十字社和歌山医療センター整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Japanease Red Cross Society Wakayama Medical Center
キーワード:
forearm
,
前腕
,
fiexor digitorum superficialis
,
浅指屈筋
,
adhesion
,
癒着
Keyword:
forearm
,
前腕
,
fiexor digitorum superficialis
,
浅指屈筋
,
adhesion
,
癒着
pp.1147-1150
発行日 2000年9月25日
Published Date 2000/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903094
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:前腕骨骨幹部骨折後,環指浅指屈筋腱の癒着を生じた非常に稀な症例を経験したので報告する.症例は17歳の男性.主訴は右環指の伸展障害である.1995年7月26日,バスケットボールで転倒し,前腕骨骨折を受傷した.近医でギプス固定を受け骨癒合を得るも,右環指の伸展障害が残存するため1999年7月に当科を受診した.右環指は手関節中間位でPIP関節伸展-110°,DIP関節伸展0°で,手関節を背屈すると屈曲を増し,掌屈では可動域制限はなかった.手術所見では,環指浅指屈筋腱が尺骨骨折部の内側面で癒着しており,これを剥離すると直後から完全伸展可能となった.前腕骨骨幹部骨折後の屈筋腱癒着は渉猟し得た9例の報告では環指深指屈筋に8例と多く,骨折部がその起始に相当するためといわれている.この症例では深指屈筋起始部の辺縁である尺骨内側面に癒着がみられたことから,浅指屈筋のみが骨折部にはさみ込まれたものと考えている.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.