Japanese
English
整形外科基礎
前腕骨間膜の機能解剖―dorsal oblique cordを中心にして
Functional Anatomy of the Interosseous Membrane of Forearm : The Dorsal Oblique Cord
中村 俊康
1
,
矢部 裕
1
,
堀内 行雄
1
,
関 敦仁
1
Toshiyasu Nakamura
1
1慶應義塾大学医学部整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, School of Medicine, Keio University
キーワード:
骨間膜
,
interosseous membrane
,
前腕
,
forearm
,
機能解剖
,
functional anatomy
,
背側斜索
,
dorsal oblique cord
Keyword:
骨間膜
,
interosseous membrane
,
前腕
,
forearm
,
機能解剖
,
functional anatomy
,
背側斜索
,
dorsal oblique cord
pp.945-950
発行日 1995年8月25日
Published Date 1995/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901695
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抄録:新鮮凍結屍体5体7肢を用いて前腕骨間膜の機能解剖を行い,従来報告されている腱様部と膜様部に加えて,骨間膜背側の尺骨近位1/4境界部から模骨中央部に向かい,腱様部とcrossする方向に走行するdorsal oblique cordを6肢に確認した.このcordは,前腕掌側の近位に存在する斜索と走行方向は同じであったが,より強靱で,手関節を遠位方向に引く牽引力に抵抗すると考えられた.前腕回内外に際して,骨間膜は中間位ではほぼ平面状を呈し,全体に緊張した.回内,回外位では腱様部の緊張が強かったが,腱様部の緊張する位置は移動した.一方,膜様部は支持性が少なく,回内外時,紙を折り曲げる様に容易にたわみ変形した.これらの結果から骨間膜の機能は筋間中隔,筋の起始,軸圧の分散・伝達と遠位方向への牽引力に抗するとともに,回旋を円滑にしつつ橈尺骨間の支持性を保つことにあると考える。
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