Japanese
English
臨床経験
前腕に発生し正中神経麻痺を呈したtenosynovial osteochondromatosisの1例
One Case of Tenosynovial Osteochondromatosis in the Forearm with Median Nerve Palsy
古田 和彦
1
,
面川 庄平
1
,
水本 茂
1
,
岩井 誠
1
,
玉井 進
2
Kazuhiko Furuta
1
1奈良国保中央病院整形外科
2奈良県立医科大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, National Insurance Union Medical Center of Nara
キーワード:
forearm
,
前腕
,
median nerve palsy
,
正中神経麻痺
,
tenosynovial osteochondromatosis
,
腱鞘滑膜骨軟骨腫症
Keyword:
forearm
,
前腕
,
median nerve palsy
,
正中神経麻痺
,
tenosynovial osteochondromatosis
,
腱鞘滑膜骨軟骨腫症
pp.1153-1156
発行日 1998年9月25日
Published Date 1998/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902538
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抄録:tenosynovial osteochondromatosisの多くは手指伸筋腱・屈筋腱に発生する.今回われわれは,前腕における指屈筋腱に発生し,正中神経麻痺を合併した極めて稀な1例を経験した.症例は53歳女性.主訴は右手前腕屈側部の腫瘤および第1~3指の痺れであった.単純X線にて手関節から第3中手骨にかけて粟粒大の石灰化を多数認め,MRIにて前腕から手掌に及ぶ深指屈筋腱周囲に実質性腫瘍が確認された.電気生理学的検査では正中神経の伝導遅延を認め,特に前腕遠位部の腫瘍を挟んだ部位で伝導遅延が明らかであったことから通常の手根管症候群による麻痺ではないことが判明した.腫瘍摘出,滑膜切除術を施行した.腫瘍は手関節を越えて手根管内にまで及んでいた.病理所見では滑膜線維組織内に多数の軟骨組織と骨組織を認めた.以上の所見から腱鞘滑膜骨軟骨腫症と診断した.痺れは完全に消失し,再発もなく経過は良好である.
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