Japanese
English
臨床経験
結核性膿瘍により胸郭出口症候群をきたした1例
Thoracic Outlet Syndrome Caused by Tuberculous Abscess : A Case Report
松永 大吾
1
,
清水 富永
1
,
五明 広樹
1
,
吉村 康夫
1
,
赤羽 努
1
,
堤本 高宏
1
,
中上 幸男
1
,
高岡 邦夫
1
Daigo Matsunaga
1
1信州大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Shinshu University School of Medicine
キーワード:
mycobacterium tuberculosis
,
結核菌
,
thoracic outlet syndrome
,
胸郭出口症候群
,
polymerase chain reaction
,
PCR
Keyword:
mycobacterium tuberculosis
,
結核菌
,
thoracic outlet syndrome
,
胸郭出口症候群
,
polymerase chain reaction
,
PCR
pp.345-348
発行日 2000年3月25日
Published Date 2000/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902950
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抄録:結核性膿瘍により胸郭出口症候群をきたした1例を経験した.症例は50歳女性,カナダ人.結核の既往はない.1998年3月,特に誘因なく右上肢痛と右頚部のコリ感が出現.同年4月,当科初診した.所見上,右鎖骨上窩にウズラの卵大の柔らかい腫瘤を触知し,右手の握力低下を認めた.Wrightテスト,Roosテストとも患側陽性であった.MRI像では,腫瘤により腕神経叢が背側,下方に圧排されていた.同年7月,切開生検を行った.術中,黄白色の膿状の液体が流出した.培養陰性,PCRでも好酸菌のゲノムは検出されなかったが,病理診断で炎症性疾患が疑われた.同年8月11日,病巣掻爬術を行った.病理組織所見では類上皮性肉芽腫の形成を認め,培養およびPCRで結核菌が検出された.術後6カ月間化学療法を行い,現在局所の腫瘤はなく症状も消失している.
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